Swiss Re Sigma 2022年12月号 日本語要約 「経済的なストレスがリスクを再び価格付ける:2023/24年の世界経済と保険市場の見通し」

 世界的再保険会社であるSwiss Reが発行しているSigma誌の2022年12月号が下記の通り発行されていたので、個人的に気になった部分と所感をば。

www.swissre.com

 

 

 この中で示されている主要な論点はタイトルの通り。経済的なストレス、すなわち高インフレとそれを抑えるために中銀が設定する高金利と、それを所与とした保険の価格付けである。

 経済的なストレスが保険価格に与える影響は大きく分けると2つある。1つはインフレによる請求額の増加。ロスコストが上昇することで、当然保険価格も上昇する。もう1つは高金利による保険資本の引き上げである。金利が高い状況においては保険会社にとって保険引受に資本を投下するよりも、債券市場に資本を投下するほうが高いリターンを得られる蓋然性が高まる。そうなれば保険価格は供給面が絞られることで上昇することになる。

 また、損害保険市場について、インフレと低成長により今年の保険料の実質伸び率は1%を切ると予測されるが、インフレの緩和と市場のハード化によりさらに伸びていくと予想される。また、2024年の損害保険のリターンはこの10年で最も高いものとなる。

 

今年こそは世界の自然災害が少ないとしてでありますようにお祈りします。

と思っていたら、トルコで大きな地震が発生しました。現地の方々の安全を祈願して結びとします。