東証一部と東証二部の相関関係、β、散布図を見る

約5年分の東証一部と東証二部の相関関係、β、散布図を見る

 こんにちは、orcaです。今回はふと「あれ、東証一部と東証二部ってどれぐらい値動きが似てるんだろう」と思ったので、実際に検証してみます。東証二部の理論株価計算などに頭の片隅に置いておくと幸せになれるかもしれません。

 ・検証の概要

 約五年分(58か月)の東証一部株価指数(TOPIX)と東証二部株価指数を使います。データは月足で終値を使いました。使用ソフトはExcelです。

 

・β

 最初はβです。この指標はある証券(ポートフォリオ)の値動きが、特定の市場の変化に対してどの程度大きいかを示す指標です。

 例えば、ある株AがTOPIXが2%変化したときに株価が4%上昇(下降)したなら、Aのβは2となります。

 なお、以下ではすべて東証一部の値動きに対する東証二部の値動き大きさを表します。

①直近5年の場合→約0.682

②直近4年の場合→約0.723

③直近3年の場合→約0.794

④直近2年の場合→約0.790

⑤直近1年の場合→約0.875  となりました。

推移を示すグラフです。

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東証二部は売買代金が少ない(=値動きが小さい?)からかどの期間でもβ<1でした。また近年になってβがゆるやかに上昇し、1に近づいていることも印象的です。

 

・相関関係

相関係数です。1に近いほど散布図(後述)が線形に近くなります。

①直近5年の場合→約0.764

②直近4年の場合→約0.784

③直近3年の場合→約0.708

④直近2年の場合→約0.759

⑤直近1年の場合→約0.905  となりました。

 特にトレンドは確認できず、おおむね0.7~0.9の間に収まるそこそこの相関がみられました。

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散布図

 5年分の散布図を示します。縦軸が二部、横軸が一部です。先述したβ、相関係数と矛盾しないものとなりました。

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・おわりに

 終えてみて思うこととして「意外に密接に関連しているのだな」というところが正直な感想です。もうすこし関連を示す各指標は小さく出てくると考えていました。しかし、同じ国の企業が上場しているのですからある程度株の値動きが似てくるのは当然といえるかもしれません。